火山についてのQ&A |
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Question #61 | |
Q |
火山は、なぜ出来たのですか?また、火山の利用法などはないのですか
(12/18/97) |
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A |
普通の岩石は1200℃くらいの温度まで熱すると、どろどろに溶けてしまいま す。このようにして溶けた岩石をマグマと言います。地球は内部に多量の熱を たくわえていて、例えば日本で深い穴を掘ると、その穴の中では、深さ1kmご とに約30℃ずつ温度が高くなります。つまり、単純に計算すると、地下40kmで 温度が1200℃になり、そこでは、普通の岩石は溶けていることになります。実 際には、深くなるほど圧力も高くなるので、岩石は溶けにくくなるし、地下 40kmはもうマントルの中で、そこはカンラン岩という溶けにくい岩石でできて いるので、どこでも溶けているわけではありませんが、地球のマントルはプレ ート運動とともにゆっくり動いていて、マントルのカンラン岩が上昇している ような場所では、特に溶けやすくなります。溶けてできたマグマは集まって上 昇し、それが地表に噴出する場所が「火山」です。 火山では、マグマが地下から多量の熱を運んで来るので、その熱を利用して 地熱発電が行なわれています。この熱は温泉の水を温める役もしていて、入浴 はもちろん、農作物の温室栽培などにも利用されています。富士山のような大 きな火山体は、大気に上昇気流を生じてしばしば雨を降らせ、穴だらけの溶岩 の中に多量の水をたくわえて、貴重な水源の役もしています。地下のマグマの そばでは、岩石から熱水へいろいろな元素が溶け込み、熱水の温度が下がると それらが沈澱して、銅・亜鉛などの金属鉱床を作るので、我々にとって貴重な 資源を作り出してくれる役もしています。 (12/18/97) 石渡 明(金沢大学・理学部)
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