火山についてのQ&A |
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Question #446 | |
Q |
はじめまして、素人ながら地学関係の勉強をしています。 有珠山噴火のニュースで専門家の方が解説していたのですが、その中で「水蒸気爆発」と 「マグマ水蒸気爆発」という用語が出てきました。 水蒸気爆発は普賢岳の噴火の時マスコミがあちこちで解説していたので理解しているつもりですが、マグマ水蒸気爆発は今まで聞いたことがないので、どういったものかわかりません。 水蒸気爆発と何が違うのかもし宜しければご回答いただけたらと思います。 (04/03/00) のこのこ:派遣社員:23 |
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A |
有珠の噴火で「マグマ水蒸気爆発」もすっかり有名になりましたね.火山の火口から
火山灰などが爆発的に噴出される「火山爆発」には,大別すると次の3つの種類のも
のがあります.その前に,火山爆発の主要なエネルギー源となっているのは,気体状
態の水蒸気が体積を猛烈に増加させるということです.その水蒸気の出所で分けると,
第一は,マグマそのものの中に溶け込んでいた水成分が気体状態の水蒸気になるマグ
マ噴火(爆発)です.有珠でも心配されていたプリニー式噴火はその一例です.そし
て第二が,地下水や湖海水など,マグマの外にあった水がマグマに熱せられて水蒸気
になる噴火で,これが水蒸気爆発です.第三が問題のマグマ水蒸気爆発でして,水は
水蒸気爆発の場合と同じくマグマの外にあったものですが,それがマグマと直接触れ
ることにより,マグマ本体も同時に細かく砕かれて,水蒸気といっしょに出てくるも
のです.高温の天ぷら油に落とした水滴が瞬間的に蒸発して油(マグマに相当)と水
蒸気が一緒に飛び出してくる現象に似ています.水蒸気爆発とは,マグマの破片も一
緒に出てくるところが異なります.また,爆発の強さもマグマ水蒸気爆発の方がはる
かにまさっています.
(4/11/00)
三宅康幸(信州大学理学部地質科学) |