火山についてのQ&A |
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Question #215 | |
Q |
久しぶりに質問します。
浅間山が一般を対象に入山許可がでるというマスコミの報道がありましたが、
実際にどこまで行けるのでしょうか?
登山するとなれば、どこから登山開始するのがいいでしょうか。
往復に要する時間なども教えてください。
登山しているときに浅間山を観察、観測する上でどういった場所、地点を
注目して登山すればいいでしょうか?
また、過去に浅間山が今現在のように、平穏な時期はあったのでしょうか?
それは何年?何十年程度持続するものでしょうか?
以上です。よろしくお願いします。
(5/23/99) |
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A |
A: ご質問が多岐にわたるので全部はお答えできませんが,ここでは,登山規制の
緩和についての情報をお知らせします.
Q:浅間山が一般を対象に入山許可がでるというマスコミの報道がありましたが、
実際にどこまで行けるのでしょうか?
A: 5月21日に検討委員会から答申があったのを受けて,小諸市,軽井沢町,御
代田町や佐久地方事務所,地元警察署などで構成する「浅間山火山対策会議」がこれ
から具体的な規制緩和策を論議し,結論を出すことになります.従って,まだ何も決
定されてはいませんが,いずれ,当地のマスコミで報道されると思います.
Q:登山するとなれば、どこから登山開始するのがいいでしょうか。 A:おそらく,小諸口の浅間山荘から出発するのが最も易しいルートだろうと思います.
Q:登山しているときに浅間山を観察、観測する上でどういった場所、地点を
注目して登山すればいいでしょうか?
A:火山学的な注目点の詳細については,ほかの専門家のアドバイスに譲りますが,
ここでは,登山に際しての安全対策について述べます.
荒牧重雄(日本大学・文理学部) Q:(登山する場合)往復に要する時間なども教えてください。 A:小諸側の浅間山荘あるいは車坂峠から出発して前掛山まで健脚で片道3時間半程 かかると思われます. ただし車坂峠からの場合はアップダウンも激しいので, 時間に余裕をみることが必要だと思います. また十分な登山の装備(防寒,非常食など)や天候の判断も必要です.
Q:登山しているときに浅間山を観察、観測する上でどういった場所、地点を
注目して登山すればいいでしょうか?
A:例えば次のような見どころがあります.
1)黒斑山の北東の通称Jバンドのあたりや前掛山から北方を見下ろすと,
天明3年の噴火の時に流下した鬼押出溶岩流がよく見えます.
2)前掛山から黒斑山の方を見ると,黒斑山の火口壁に見事な成層構造が見えます.
これは,黒斑山が活動後期に磐梯山のような山体崩壊を起こした跡で,
成層火山の内部構造を観察できます.
3)前掛山から釜山の方を見ると,釜山の斜面に無数の岩塊が散在している様子が見
えます.
これらは1983年噴火などの際に放出された火山弾です.
荒牧重雄・安井真也(日本大学・文理学部)
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