火山についてのQ&A |
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Question #125 | |
Q |
昔の地学関係の本を読んでみると、「瀬戸内火山帯」という言葉を見ることがあります。大阪・奈良の境の二上山や室生の山々や屋島や石槌山もその中に含まれているそうです。(四国山地の剣山の写真を見ると、火口湖としか思えないような丸い池が山頂直下にあります)この火山帯の名前は今でも使われているのでしょうか?何故活動を止めたのでしょう?また、近畿・中国・四国地方にはなぜ活動的な火山がないのでしょう?
(9/11/98) |
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A |
「瀬戸内火山帯」という言葉は、これに属するとされる火山岩類が1千万年 以上昔に活動したものであって、現在活動中の火山を含まないことから、現在 活動中の火山からなる「火山帯」を構成するものではないとして赤木健 (1932)によって廃棄されております。現在では、「瀬戸内火山岩石区」とい う名称が与えられております。この火山岩石区は1千万年前には活動を終えて おります。なぜ活動を止めたか、その理由は明確ではありませんが、西南日本 では、その後、火山活動はより日本海に近い側へと後退してゆき、現在では、 大山や三瓶火山などの日本海沿いに火山帯があるとされております。この火山 帯は東は、白山から御岳火山へ、西は、九州の火山へ連なっており、この火山 の列の地下深部には、マグマが存在していると考えられております。そのよう な、現在の火山の分布は、これに対応した、海の地殻の沈み込みと密接な関連 があると信じられております。 (9/13/98) 吉田武義(東北大学・大学院理学研究科)
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